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父の髭の思い出

子供の頃に父と買い物に行くと、よくシェービングクリームを買っていました。私はその匂いが好きで、良く父が髭を剃るときは傍で遊んでいました。使っていたのは電動の剃刀で、その軽快な音も好きでした。

父は髭の濃い方ではありませんでしたが、毎朝会社に行く前に念入りに鏡の前で髭を剃っていました。電動の髭剃りを使っていない時に、顔を切った場面も目撃しました。髭剃りに八つ当たりして怒り狂っていました。私が見ていたので、余計にやるせなかったのかもしれません。その事件があってから、髭剃りは電動のものを使用するようになりました。でも、普通の剃刀も仕上げのために鏡の前には常備してありました。

髭を剃った後の感触が好きで、子供の頃は顔に触ったりしたこともあります。独特のジョリジョリした感覚は、今でもたまに思い出します。

私もたまに剃刀で髭を剃りますが、剃った後の感触は父と違って滑らかです。そんな時、あの感触が懐かしくなります。

街を歩いていて、髭が伸びかかった男性がいると、ついつい触ってみたいという衝動に駆られることがありますが、今まで実行したことはありません。もし、時間を止められるなら気が済むまで触って満足したいです。